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第十四夜 Dramatic Capital @Tirana [Albania]

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―DAY14― 8月18日

朝4時、まだ暗い中、寝ている頭を叩き起こし、歩き過ぎで筋肉痛になった足に鞭を入れ、宿を発った。

メインの通りと交差するあたりで人が集い、バンが行き来していた。

「これ、『ティラナ』行きですか?」

「それならここで待ってな」

別の行き先を告げたバンのドライバーがそう言ってくれた。
少し広くなった交差点の真ん中には荷物を抱えた数人のおばちゃんがいて、同じようになにかを待っているようだった。
てっきり来るときに降ろされた『セイント・デメトリアス・オーソドックス教会』の前の
バス・ターミナルらしき広場で乗るものと思ったので、少しばかり肩透かしを食らった恰好だが、
5分ほどの距離を荷物を背負って歩かないで済むのかと思うと、お得な感じもあった。

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目の前にバンが停まるたび、「ティラナ?」と尋ねてみる。
なにせミニバンとおぼしきクルマたちはフロントガラスに粗っぽいダンボールで行き先表示をしているものもあれば、
ドライバーが降りてきて馴染みのおばちゃんを乗せ、去っていくだけなのだ。
おかげで危うくパン屋の配達のバンにまで行き先を尋ねそうになった。

交差点でしばらく放置されると次第に「教会まで歩いたほうがいいのかも」と心が揺らぎはじめる。
そんな時、目の前に停まったバンが「ティラ~ナ~!」と景気のいい声をかけてきた。

「はいはい! 乗ります乗ります!」

荷物をひっ掴み、他の客に続いて、バンに乗り込む。するとバンはターンを切り、
『セイント・デメトリアス・オーソドックス教会』方面に進んだ。

慌てて乗り込んだバンはピックアップ用らしく、乗り込んだみなを降ろして去って行った。
ここまで歩いてきても同じだったのね、と思いながらも、荷物ありで歩かないで済んだので小さなラッキーを拾った感じだ。
辺りにいたドライバーとおぼしき人たちに「ティラナは?」と尋ねると、
朝の機嫌悪さ丸出しのまま「あっちのバンだ」と教えてくれた。(写真2)

トランクに荷物を積み込むと、席には先客が2人いた。
ミニバンの座席は3人x3列+助手席2人、まだ8人分余っている、おそらく全部埋まってから出発する乗合方式だろう。
イラついても仕方ないので、バッグから買っておいたパンを取り出し、齧りつくことにした。

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昨夜は夜景撮影に夢中になり、気づいたら食堂があまり開いておらず、軽い夕食難民になりかけた。

売店でパンでも買うしかないかと思っていると、モスリム・スタイルのピザ屋があったので、かまわず飛び込んだ。
焼きたてのピザと一緒にピタパン・タイプのサンドウィッチも売っていたが、
ほとんどのメニューに「TON」の文字がくっついているのが妙だった。

「このTONってなんです?」

「ツナだよ」

「おお~。じゃあ、それ、ください」

食べ物の戒律が厳しいイスラム圏ではタマゴだけを挟んだ「モスリム・バーガー」なんてものが当たり前にメニューにある。
肉はチキンが主流になるが、ツナのメニューも多く、いずれも野菜が豊富なので、
旅行者というか、ツナに馴染みのある日本人には嬉しかったりもする。

ツナ・サンド150レク、オーブンで焼かれたチーズが火傷するほど熱く、
疲れたカラダを癒していくような気がした。(前日写真8)

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4:50、ようやく11人目の乗客を迎え入れ、ミニバンはティラナに向けて出発した。

バスと異なり、やはりバンは速い。
おまけにドライバーの運転は荒っぽく、前走車をガンガン抜き去っていくので、きっちり2時間でティラナに着いてしまった。
途中で客を拾うこともなく、直通なので早いのはわかるが、バスでかかった3時間はなんだったんだ。
料金は500レク、今度は降りるときにキッチリドライバーに払いましたぜ。

朝7:00、ふたたびのティラナ。

知っている街というのはなんと心強いことか、とそれらしいことを思ったが、
考えてみたら昨日の朝、ここを発って、ベラーティで一泊しただけのハナシだ。
別の言い方をすれば、バス路線が見つからず、尻尾を巻いて戻って来たマヌケな旅行者がまたここにいるだけだ。

そんなことはさておき、この先のルートがあるのかも確定していない、
まずはマケドニア・オフリッド行きのバスを探すことからはじめなくては。

ミニバンを降りたバス・ターミナルらしき場所で「オフリッド行き」のバスがどこから出るか聴いて回り、
地図にそれらしき場所の印をつけてもらった。
泊まっていたホステルに戻り、スタッフの助けを借りることも考えたが、
朝早すぎるし、もはや客でもないのでそうなると性質の悪い、厄介な客に成り下がる気がしたのでやめておいた。

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地図の印を頼りに街の中心に戻る。

『スカンデルベグ広場』にほど近い場所にあった郊外行きのバス乗り場でダメモトでアレコレ尋ねてみる。
だがたいして手掛かりになる情報は得られなかった。

地図を広げ、あらためて印の場所を確認していると「Can I help?」と話しかけられた。

「『オフリッド』行きのバス乗り場を探しているんです」と正直に告げる。

「マケドニア方面行きなら『ぷらーご』というバス会社じゃないかな?
 この通りの突き当り手前のところにある会社を尋ねてみて」

「ありがとうございます」

出勤前の通りすがりの男性がなぜそのことを知っているのかわからなかったが、
間違いやダマされたとしても身ぐるみはがされるわけでもなく、言われた名前の会社を探してみることにした。
ただし朝の7時過ぎにオフィスが開いているかはなんとも不安ではあったが。

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『Bulevardi Zogu 1(ゾグー1世通り)』を北に向けて歩く。

途中、香ばしいニオイを立てるパン屋さんで35レク(!)のパイを買い、(写真6)
「ぷらーご、ぷらーご」と念仏を唱え、パイを齧りつつ、朝の街にそぐわないアヤシイ風体で歩いた。

『Pollogu』という綴りのカンバンを見つけた。
これが「ぷらーご」なのか「ぽろーぐ」なのかわからなかったが、それらしくないかい?

8時のオープンを待って、ビルの階段を上がるとそこにはバス・チケットを扱う店舗があった。
前の客が終わるのを待って、行き先を告げる。
しかし帰って来たのは悲しい答えだった。

「9時のバスは満席よ」

カウンターの向こうのおばさんは英語がニガテらしく、自分が座ったイスを示し、「ない」という素振りで説明してくれた。

「え」

まさに絶句。
たぶん昨日も今日も朝の情報番組で「バス運がない」とテロップを出されているに違いない、ラッキー・アイテムはなんだ?

「ミニバスでいいなら15時の『オフリッド』行きがあるわよ」

どうにもこうにもタクシーでもバイクでも朝でも昼でもマケドニアに行きたいので文句はない。

「それ以外はないんですか?」

「朝9時のバスは『ストゥルーガ』行き、そこから『オフリッド』行きに乗り継ぐ形。
 15時のミニバスは『オフリッド』直通よ」

おばさんは紙に行先と時間、料金を書いて説明してくれた。

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あれ? ちょっと待てよ? 直通なら15時のミニバスの方が楽じゃないか?
9時のストゥルーガ行きは「バス」で「乗り換えあり」、13ユーロ、(そこからオフリッドまではいくらかは不明)
15時のオフリッド行きは「ミニバス」で「直通」、15ユーロ。
あれ? 悪くないハナシじゃん。

「じゃあ、15時のミニバスで行きます」

「15ユーロね」

おばさんの貴重な提案に飛びつき、オフリッド行きのチケットを手にすることができた。

「乗り場はドコなんですか?」

「うちの店の前よ、ただし15時よりも前に来てね。遅れたら待たずにいっちゃうから。
 あ、必要ならその荷物預かるわよ」

「わかりました、時間前に来ます。え? ここに荷物置いていいんですか?」

カウンターの内側にキャスター・バッグを置いてもらう、ヒマツブシの文庫本やPCはその場でデイパックに詰め替えた。

「本当にいろいろありがとうございます」

礼を言い、握手をして店を出た。

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昨日から「バスがない」の言葉に脅かされていたが、こんな風に導いてもらえるとは。
「バス運」良くなってないか? ラッキー・アイテムは「代理店のおばさん」か?

ポケットにはこの国の通貨「レク」が少し残っている。
KAFE(この国ではこう書く)でWi-Fi繋いで時間をつぶすか。
店でランチを食べるほどの残金はないけどコーヒーとパンぐらいならなんとかなるだろう。

とはいえ、まだ9時前、アルバニアの時間はまだまだ残っている。


オフリッド方面のバス・チケット代理店はこのあたり


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第十三夜 Thousand Evening @Berati [Albania]

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川沿いに町の西側に流れ、隣町の手前にあるというミニバス乗り場を探した。

「行き先が決まる」か「宿を決める」かしないと観光どころではない。
なにしろ今夜の身の振り方が決まっていないのだ、
「行き先不明」「ルームレス」では不安にならないほうがおかしい。

観光案内所で教えてもらった「ミニバス乗り場があるかも」というか細い情報を手繰り寄せるようにただ歩いた。
途中、カフェで一服する人や擦れ違う人を見つけては、
「みにばす、みにばす」「じろかすとら、じろかすとら」と呪文のように尋ね、
できることといえばなんとなく示された方向へ歩いて行くだけだった。

30分以上歩いただろうか、商店や食堂が少しばかり連なる通りが見えた。
反対車線ではバスを待つ人たちの姿も見え、手繰り寄せた糸が紐ぐらいなった気になっていると、声をかけられた。

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「ドコ、イクンダ?」

「じろかすとら~」

「タクシーどうだ?」

「ミニバスないの?」

「ジロまではミニバスはないよ、タクシーなら行くけど?」

「バスはない」というのは世界各地でタクシー・ドライバーが使う常套句、こればかりはバルカンの優しさもない。
試しにタクシー料金を尋ねると、バス料金よりも一桁上の金額を告げられる。
呆れて首を横に振ると、奥から別のドライバーが声をかけてきた。

「向こうにミニバス乗り場はあるけどジロカストラ行きのバスはないよ。
 あったとしても夕方のこの時間から出るバスはないよ、もう近場行きしかないぞ」

ティラナ行きがそうであるように遠距離のミニバスは昼頃までに終わってしまうらしい
地元の人中心の路線なので、利用者がなければ走る意味がないのだろう。
タクシー・ドライバーの顔が連なる中からアルバニア人の素顔で現れてくれたことに感謝しつつ、礼を言う。

「ありがとうございます、ベラーティに戻ります」

店先で冷たい飲み物を買い、一気に飲み干すとふたたび荷物を背負い込んだ、

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結局、バカみたいにベラーティの北西の町外れ、あるいは隣町まで歩いたものの、「足」は見つからずに終わった。
散々歩いた距離を同じように歩いて戻るが、荷物を背負ったまま、この旅で一番長い距離を歩いている。
荷物や歩く距離よりも目的を果たせず、旅の行程が決まらないことで疲労困憊していた。

夕方の時間を大いにムダに過ごし、ただ疲れて元の場所に戻ってきていた。

夕方、といえどバルカンの夏の太陽は元気で、おかまいなしに日焼けするような強さを見せている。
成しえたことは2Lのミネラル・ウォーターのボトルが軽くなったことぐらいか。
手繰り寄せた糸はブッツリと切れていたし。

こうなるとやることはひとつ、ベラーティの町での宿探しだ。

この時間になると「客引きモンスター」は姿を見せず、こちらの都合に合わせてはくれない、今なら食いつくのにね。
いわゆるホステルやゲストハウスがあるような街のサイズではないので、少しばかり不安があったが、
小さな町の中に時折「ROOM」という文字を見かけていたので、そこを頼りに歩くつもりだった。
最悪、どこもなければ「マンガレム・ホテル」にウォークインでもいい、と腹を決めていた。

「ROOM」表示を出しているところはおそらく「民泊」スタイルで泊まれるのだろう、
クロアチアでいうところの「SOBE」のようなものだろうが、宿泊料の相場がわからないのが心配だった。

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一軒目の「ROOM」表示に飛び込む。

上品な感じの夫婦が出迎える。
貸せるような部屋があるのだから、少しばかりは裕福な暮らしをしている家族なのかな、と身なりを見て邪推する。

「1ナイト15ユーロ」

「10ユーロになりません?」

「無理無理」

まあ、無理を承知で言ってみたんだけどね、一応、相場調査の一軒目なのでね。
2000円ちょっとなら悪くない、(この時のレートは1ユーロ≒¥135)
客引きモンスターが最終的に「25ユーロ」まで自主的ディスカウントをしたことを考えると妥当だ。

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通りを挟んだ路地、ランチを食べた『マンガレム・ホテル』の前にあった「ROOM」表示に当たってみる。

家族揃ってご登場、英語を話せる娘が交渉役のようだ。

「うちは1ルーム10ユーロよ」

「ホット・シャワー出ます?」

「出るわよ、見てみる?」

安宿を借りる際、部屋や設備を確認するのは当たり前の手順。
このところネット予約でブッキングしていたばかりだったので、バック・パッキングの基礎を忘れかけていた。

「ああ! 見てみます。キレイな部屋にシャワー・ルームですね。
 ところでユーロを持ってないんだけど、キャッシュでUS$10ではどうですか?」

シャワーや部屋のエアコンを確認しながら、軽く値切り交渉、娘はどうするか両親に尋ねている。

「USドルでもいいわよ、ただしキャッシュね」

その答えをもらい、相手の気が変わらないうちに$10を渡し、部屋のカギと玄関口のカギを受け取った。

この時、USドルは99円ほど、1,350円の宿が1,000円を切ったことになる。
拍子抜けするぐらいアッサリと値切り交渉は成功、
たかが300円というなかれ、『マンガレム・ホテル』のレストランでパスタとアイスティが頼めるんですぜ。
http://delfin2.blog.so-net.ne.jp/2015-02-01 (前日の記事)

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みなさんも値段交渉の際、「キャッシュ」という言葉をお忘れなく。
これは安宿でもショッピングでも最後のプッシュに使えます。
散々値切っておいて、クレジットカードで払われると店側は3~5%の手数料をクレジット会社に払うことになり、
そこでも儲けを失うので、「キャッシュ」という言葉に強みが出てきます、ぜひとも最後にお試しあれ。

「じゃあ、わたしたちは夕食に出るから」

日曜の夜、ということもあって、彼ら家族は食事に出かけるらしい。
その言葉を聞いて、夕食を食べなくてはならないことを思い出したが、食べる気力が起きないほど疲れてもいた。

エアコンのスイッチを入れ、シャワーを浴び、少しばかり元気を取り戻し、風呂上がりのラフな格好でフロアを確かめる。

4階建てのビルの2階の一室を間借りしたようだったが、他の2室には人がいなかった。
家族は上のフロアで暮らしているようなので、
結果、リビング、キッチン、シャワーを独り占めするどころか、2階のフロア自体を貸し切ったような状態だった。(写真2)
これで990円は悪くないんでないかい、などとテラスから日の落ちた町を眺め、ひとりごちた。

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すっかり暗くなった町に繰り出し、夕食を食べられるような店を探して歩いた。

するとライトアップされた世界遺産の町が出迎えてくれた、夜の「千の窓の町」だ。
こうなると食事はどうでもよくなり、夜の景色を撮って歩いた。
あれだけ歩いたのに新たな風景の写真を撮るとなるとまだ足は動くようだ。

「千の窓」に向かうように遊歩道が伸びていて、地元の人たちがゆっくりと行き交っている。

陽が落ちて涼しくなったこの時間、家族連れや友達同士で歩きながら、おしゃべりを楽しんでいる様子だ。
傍らにはお馴染みの焼きトウモロコシ屋や綿菓子(写真1)の屋台が散在し、子供たちの足を止めている。
舗道が完成してなくて、ところどころガチャボコなのはEU最貧国の表れ、田舎町のご愛嬌。

路肩に腰を落とし、隣りのオジサンに火をもらい、タバコを燻らせている若者たちもいる。
そういえばこの国では「火持ってない?」と尋ねられることが多いことを思い出した。
先進国の病的な嫌煙シーンとは時代を異にしているようでもあり、吸わない身からしても悪くない情景だ。

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舗道をブラつく人が多いのも先進国にはあまりないシーン。
カンボジアでは夕方になるとアンコール・ワットの水路を囲むように家族連れが夕涼みをしていた。

ちょっと質が違うけど、シンガポールでは日曜となると、
高島屋や伊勢丹の入口の階段がフィリピンやインドネシアのアマサン(お手伝いさん)で埋め尽くされる。

エアコンなしで生活する彼らにとってはデパートの入口に水辺の涼あり、
かつての日本でも縁側がそういう場所であり、井戸端がそういう機会でもあったのでしょうね。
そこに集い、語らい、情報交換、ネットやSNSだけで繋がる現代とは隔世の感、
発展するのはいいことなのか、便利になることはシアワセなのか、バルカン半島の片隅で考えさせられたり。

ノスタルジーに浸るよりも、おなかにナニカをブチ込んで、早いであろう明日の朝に備えないと。


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第十三夜 Thousand Windows @Berati [Albania]

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荷物を背負ったまま、「千の窓の町」の写真を撮りながら、歩いた。

気温はおかまいなしに高く、日差しは激しい、なにせこの旅でもっとも南の土地にやって来ているのだ。
着いた時の激しい雨の名残りもなく、太陽は照りつけてくる。
一番日焼けしそうな時間帯、通りには地元の人はモチロン、観光客の姿すら見かけない。
重い荷物が足枷になり、歩き回って写真を撮る気力さえも失せてきている。

観光案内所で情報を得る以外に手立てはなく、昼休みが解けるのを待つしかなかった。

「マンガレム・ホテルのレストランは味がいいのでオススメだよ」

ティラナのホステルの強面マネージャーがそう勧めてくれたことを思い出した。
夕食を共にしたドイツ人カップルはそこを訪れたらしく、
「眺めもいいし、行くべきだよ」とマネージャーの言葉に激しい同意とアドバイスを添えてくれた。
その言葉を思い出し、地図からホテルを探し出し、そこを目指すことにした。

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ホテルは小さかったが、レセプションは質感が良く、落ち着いた佇まいを見せている。

その脇を通り、階段を上がり、テラス席のレストランに進むと、
昼時が過ぎているにもかかわらず4~5組の客が食事を摂っていた。
熱いこの時間、みなさまこういうところに退避していたのね、と思いつつ、
日の当たらないテラス席に腰かけた。(写真3)

そういえばホステルの朝食からなにも食べていない。
案内所が開くまで遅めのランチと避暑タイム、ということでメニューをもらい、オーダーを決める。

トマトソースのパスタ250レク、アイスティ60レク。
え? ホテルのレストランでこの値段? 
「レク」は日本円とほぼ等価表示だったよな、あれ? パスタ250円?
ホテルで? あれ? 2500円じゃないよな? と少しばかりの物価差に戸惑いながらオーダーを入れた。

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「パスワードいります?」

「なんの?」

「Wi-Fiです、お使いになりますか?」

「ああ、なりますなります」

レストランの客はホテルのWi-Fiが使えるらしい、おそらく客に次々問われるので、先手を打つようになったのだろう。
おお~、こんなところでPC繋げるなら、この先のルートの情報も得られるぜ、と思いつつ、
もう一つの「マネージャーのオススメ」を思い出した。

「フリオさん、います?」

「ああ、今日は日曜で彼は休みなんです。用事があるなら電話してみましょうか?」

「いや、居ればと思っただけなので、ありがとう」

旅の助けになれば、とマネージャーが懇意にしているスタッフを教えてくれたのだ。
残念ながら会えずじまい、うらめしや日曜日。

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遅めのランチと涼やかなるアイスティでしばし充電。

パスタの写真はありません、喰ったもの全部UPするほど酔狂でもなく。
男が食い漁った料理なんか楽しくないでしょうし、気になった変わった食べ物だけUPしますわあ。

ホテルは山あいを少し上がったところにあるので、テラス席には心地よい風が吹き抜け、過ごしやすい。
気温は日本の夏と変わらず、陽射しは日本にも増してきついが、湿度の少なさがアドバンテージ、
木陰や日影に入れば、すぐに涼しさが勝ち越すのだ。
それとここバルカンではもうひとつ、夏の暑さを鬱陶しく感じさせない理由があるのだが、
この時点ではまだ気づいていない。
そのナゾはオフリッドの湖でk気づいたので、のちほど解き明かしてみせますね。

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キーボードを叩き、アイスティを傾けている間になんとか時計は15時半を回ったが、
少し用心深く、15分ほど間をおいて、観光案内所に向かうことにした。

「あのお、荷物置いて案内所に行ってきてもいいですか? 会計は済ませていくので」

「ダイジョウブですよ、この時間はヒマですし。テーブルそのままにしておきますよ」

快い返事をいただき、会計を済ませ、重い荷物を置いたまま、5分とかからない距離の案内所に向かった。
帰りにテーブル・チップを多めに置けばいいかな、と思ったが、310円の食事代のチップは難しくないかい?

「すみません、バス・ルートを教えてください」

案内所には大学生のような風貌の男性がいるだけだった。

「どちらへ行かれます?」

英語が出てきたので、ひとまず安心しながら、アレコレ尋ねてみた。

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「まずジロカストラやサランダ方面へ行くバスは8時、14時半だけです。
 それとジロカストラからマケドニア、オフリッド方面へ行くのは途中までミニバスがあるでしょうけど、
 そのあとはタクシーですね。
 ここから隣町に行くミニバスはいろいろありますけど、ジロカストラまで行けるのか、あやしいです」

「わ、2本だけですか。14時半ということはティラナからのバスかな?
 となるとここから南に行くには翌朝になりますね?」

おそらく乗ってきたバスがそのまま南に向かったのだろう、だからスコールの中、おかまいなしに降ろされたのだ。

「そうですね、明日の朝8時のバスですね。
 ただし南からマケドニアに行けるかは定かじゃありません。
 いっそ、国際バスでギリシャに抜けて行った方が確実かもしれませんね」

南の田舎町からマケドニア方面へ向かう人は少ないのだろう。
ジロカストラまで行って、そこからバスやミニバスを探せば、
案外ルートはあるのかもしれないが、それは希望的観測に過ぎない。

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「となるとマケドニアを目指すならティラナに戻ったほうが確実?」

「ですね、それが一番確実です。
 ティラナ行きは朝の4時半から30分ごとにミニバスが出てますよ。
 あとはわかりませんが、近隣へ行くミニバスを乗り継いで南方面に行くぐらいですね、
 これはどこまで行けるかが不確かなのでわたしはオススメしませんが」

ティラナ行きのバスはさっきの国際バス屋さんでの電話でも出た話、
知らない国、知らない土地を動く際には1つの言葉ではアテにならないが、これで裏付けが取れた形だ。

「となるとティラナに戻るのがベストかあ。午後のティラナ行きのバスは何時ですか?」

「ティラナ行きは午前中しかありません」

「え~?」

あらら、本日ベラートの町から脱出できないことが確定した。

ティラナへのミニバスはおそらく地元の人の足、
用事があって首都に出向くのだから、午後の便は利便性が低いのだろう。
こうなるとこの町で宿を確保しなくてはならない、という状況に陥っていた、
早々に現れ消えた「客引きモンスター」の姿が頭を過ぎる。

「う~ん、明日ティラナに戻るのが一番確実みたいですね。ありがとうございました」

礼を告げ、レストランに戻った。

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地図を広げ、もう一度思案する。
昼間、ベラートの町を見て、夕方のバスでジロカストラへ向かい、一泊した後、南からマケドニアを目指す、
という自分的にまったく都合のいいプランで進んできたが、計画はガラガラと音を立てて崩れていった。
いや、音を立てるというより、ブッツリと断線したような感じがしていた。

元々、大した予定は立ててなかったが、「思い通りにいかない」というのは誰の計画にも織り込まれてないはずだ。

う~ん、さすがアルバニア、首都ティラナのバス・ターミナルが整備されていない辺りから、その気配は感じていたが、
まさかバス・ルートがないとはなあ、う~ん、さすがヨーロッパ最貧国。
とはいえ、この心地よいテラスに座っていてもなにも解決しないし、なにも進まないことはわかっていた。

まずはダメモトで近隣に行けるミニバスでもあたるか、そう思い、テーブルにチップを置き、荷物を背負い直した。


Hotel Belgrad Mangalem@Berati


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宅配寿司 銀のさら

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第十三夜 Bewildering Moment @Berati [Albania]

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雨宿りに飛び込んだ軒先はカフェのようだったが、開けっぴろげの店にはひと気がなかった。

声をかけたが誰も出てくる気配もない。
14時と一番熱い時間帯だったので、シエスタなのかもしれないが、開けっ放しでお昼寝かい。
いやいや、カフェが昼寝するなよん、と思いつつもこの国はのどかであり、安全であり、心地よくもある。

別のカフェを探そうと思ったが、気温の高い中、降り続く雨の激しさは衰えない。
軒先沿いに歩くと店先のウィンドウにアテネやスパルタなどギリシャの地名と料金が貼られていた。
インターナショナル・バスのチケットを扱う店らしい、南下すればそこはギリシャ国境だ。

本来ならばバス・ターミナルで次の行き先の情報収集をするところだが、
スコールの中、降ろされた場所はターミナルどころか、
チケット売り場もないような教会前の広場のような駐車場のような場所でしかなかった。(前日写真7)
この先、マケドニアへのバス・ルートがあるかもわからない状態で乗り込んできた身としては不安の塊、
そんな状態で激しい雨に打たれた、というワケでかなり萎れてはいる。

こういうときはおとなしく萎れていてもしかたがない、
動けば状況は動き出す、と教えてくれたのは我が愛しきボストンの探偵だ。

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「すみません、オフリッド湖方面のチケットは扱ってますか?」

バス・チケットを扱う店は家族で営んでいる店らしく、小さなカウンターの前では男の子が遊んでいた。
ダンナは英語があまりわからないらしいので地図を取り出し、行きたい場所を示し、訥々と伝えた。
その横から奥さんが「お客さん来たからこっちに来なさい」といいつつ、子供の手を引いた。
ごめんね、客じゃないのにね。

「うちはギリシャ方面中心だからわからんなあ。他の店で詳しいのがいるから聞いてみようか?」

「すみません、関係ない客で」

「いいんだ、ご覧の通り、雨で客もいないしね。
 ただそっち方面に行くバスはないと思うよ、地元の人も乗合タクシーで乗り継いでいくんじゃないかな」

携帯で電話番号を探りつつ、そんな話をしてくれた。

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「これ、食べる?」

電話を待つ間、カバンから日本から持ってきていたアメを男の子に示し、奥さんに差し出した。
ところが男の子はガッツリ人見知りモードで、アメを手にするところか、ママの後ろに隠れてしまった。
う~ん、打ち解けるどころか、警戒心丸出しなのね。

「ニホンのキャンディです、よかったら食べてください」

「あら、ウレシイわ。ほら、いただきなさい」

そういうと奥さんは3つばかり取り、ダンナと子供に手渡したが、
男の子はアメへの警戒心も揺らがないようで、喜んで食べるどころか、手すら出さない。
完全にアヤシイ異国人のアヤシイ食べ物扱いで、その素振りがちょっとおかしかった。

アルバニア語で会話をしていたダンナがこちらに話しかける。

「廃止か、運休かわからないけど、やはりオフリッド湖方面へは今はバス・ルートがないようだよ。
 南の『ジロカストラ』や『サランダ』行きのバスはあるけどね。
 ほかになにか聞いておきたいことあるかい?」

「となるとティラナに戻るバスは何時の便がありますか?」

「ティラナ行きは朝の4:30から30分おきにミニバスが出てる、と言ってる」

「わかりました、ありがとうございます」

電話を切ったダンナがすまなそうに肩をすぼめる。

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au端末もドコモ端末もそのまま使える!【mineo】

「すみません、客でもないのに。
 え~っと、ファレミンデリト(「ありがとうございます」のアルバニア語)」

「いえいえ。あなたはコリアン?」

「いえ、ジャパニーズです」

「あ、ごめん。韓国人グループはよく見るんだけど、日本人はあまり見ないから」

恐るべし韓国人ツアー、である。

「雨止んだみたいよ」

男の子の手を引いた奥さんが表から声をかける。

「あとは観光案内で聞いてみたら?」

「え?そんなものがあるんですか?」

ダンナは市内の地図を引っ張り出し、観光案内所がある場所に印をつけてくれた。

「ここなら英語もわかるし、バスの情報もあるんじゃないかな」

「ホント、すみません、客でもないのに」

「いいんだ、気にしないで」

家族に別れを告げると、男の子が口の中でアメを転がしているのがわかった。

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「イ・シーシェム?(「おいしい」のアルバニア語) じゃあね、バイバイ」

話しかけるとやはりママの後ろに隠れてしまった、どうやらアヤシイままでお別れのようだ。

サッパリとした雨上りの心地よい風が吹く中、目の前のバス・ターミナルもどきの広場に戻り、
チケット売り場らしきものを探したが、それらしきものは見当たらなかった。
この町の人はどうやってバスの時刻を知るんだろう、料金はどうなってるんだろう、
おれはどこに行けるのだろう、などと思案を巡らせていると、唐突に思い出した。

「あれ? さっきのバス、お金払ってないじゃん?」

ビデオを巻き戻すように車内の情景を回想したが、払った記憶もシーンも見当たらない。
ティラナのバス乗り場で、咄嗟に男に導かれ、唐突に動いていたバスに飛び乗ったが、
その男は他の客の料金を集める仕事を終えると、出し抜けにバスを降りていってしまっていた。

着いた際も激しい雨の中、ドライバーに急かされるように他の客に続いてバスから降りたので、会話も交わしてない。
あららら、いくらだったのかもわからないが、どうやらオゴってもらってしまったようだ。

昨日書いた「ヘンな出来事」とはこれが回答、お金を払うシーン、なかったでしょ?

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洗い清めたような路面を歩き、観光案内所を目指しているとキックボードに乗った子供が話しかけてきた。

「へ~い、ホテル、ホテル」

どうやらホテルを案内するといっているらしい。

う~ん、新手の客引きか、あるいは自分の家が宿でもやっているのか。

「いらない、いらない」

人差し指を立てて横に振ると、「チャイナ?コリア?」と質問が浴びせられた。
どうやらこの客引きはあまり商売熱心ではないらしい。

「ノー・チャイナ。ノー・コリア。ジャパンだよ~」

「オ~、じゃぱん! カラテ~。チョア~、じゃっきー・ちぇ~ん」

やはり商売よりも遊び優先のご様子の彼がしてみせたポーズはやはりカンフーのそれだった。
ハリウッドにも進出しているジャッキーは世界中で有名だ、

ただし南米だろうがヨーロッパだろうがアフリカだろうが、「カラテ」と「カンフー」の違いはわかっていないようだ。
それならまだいいが、ジャッキー・チェン自体を日本人と思い込んでいる人も多い、子供だけじゃなく、大人にもだ。
「彼は香港人なんだけど」と説明しても詮無きこと、彼らの調子に合わせることにして、
腰に手を当てて、少しだけ空手のポーズを取って見せたりするとかなりウケはいい。
世界各地でウケを取るにはいいポーズって、空手の「カ」の字も知らないけど。

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子供とジャレながら観光案内所への道を目指していると、ホンモノが現れた。
こうなるとRPGで知らない町を歩いているようで、
さっきは「アソビ客引き」、今度は「ホンキ客引き」、モンスターが次々現れる、
生憎、荷物を背負っているのでこちらは逃げ出せず、防御一辺倒だ。。

「ユー・ニードゥ・ホテル?」

客引きのオヤジが観光客向けに覚えたのであろうカタコトの英語で語り掛けてきた。
こういう場合、値段を聞くとハマるので、ご注意を。
「値段を聞く」ということは「興味がある=宿を探している」ということになり、「カモ」認定されてしまう。
こういう場合はこちらからアレコレ尋ねずにアチラがボロを出すのを待った方がいい。

宿は確かに気にはなったが、現状、南からオフリッド湖方面に抜けられるのか、
尻尾を巻いてティラナに帰るのか、あるいはさらに南に向かうのか、
何時のバスがあり、何処へ行けるのかもわからない状態なので、値段を聞き気にもならなかった。

するとオヤジは数少ない「カモ」を見つけ、アセったのか、
「ホット・シャワーだ」とか「30ユーロだ」とか、聞いてもいないことをしゃべりはじめた。

それを聞きながら、興味がない素振りで観光案内所への歩みを進めると、
客引きオヤジは喰えない獲物をあきらめ、去って行った。
さっきまでの雨がウソのように、空は青くキツイ陽射しが降り注いでいる。

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『Berati』の町は「千の窓を持つ町」とも呼ばれ、
オスム川を見下ろすように山あいに特徴的な石造りの家が並んでいる。
2005年に『世界遺産』登録された歴史ある町で、
観光案内所はそのメインのスポットでもある川沿いの橋の近くにあった。

案内所の扉には「14:30~15:30は昼休み」と書かれた札が下がっていた、なんて日だ。


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第十三夜 Rural Bus Routes @Berati [Albania]

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―DAY13― 8月17日

朝方、激しい雨で起こされた。

エアコンなしなので開け放たれた窓からおかまいなしの雨音が響き、
眠気を断たれたので、あきらめて起き出す。
といっても8時なので、勤勉な旅行者とはいえないが、
ドミトリーの他のベッドはまだ寝息を立てていて、この宿では優秀さを誇っていいかもしれない。

8:30に朝食を摂りにキッチンへ。

プレートは昨日と少し変化していて少しウレシイ、
それ以上に朝から淹れたてのコーヒーを飲めることがさらにシアワセ、ああ、なんとも安上がりな旅行者よ。

今日はこの街を発つことを決めていた。

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次の国・マケドニアを目指してもよかったが、
首都ティラナだけでアルバニアを判断するのは少し浅はかな気がしたので、
ここから南下し、オフリッド湖を南から回り込み、マケドニア入りするルートを思い描いていた。
まあ、小国モンテネグロはコトールだけで終えているけど。

というのも昨夜の夕食のテーブルでマネージャーに「次の街へ行く」話しを伝えると、
海辺でリラックスしたいなら『Durres(デュラス)』、
画になる町なら『Berat(ベラート)』『Gjirokastra(ジロカストラ)』を勧められたのだ。

代理店のボスも「『ベラーティ』がいいよ」と言っていたのを思い出し、符丁が合ったかのような感覚を受けた。

ルート的には「デュラス」はティラナの真西、「ベラート」「ジロカストラ」は真南にある。
アルバニアの人たちと一緒に海水浴する気もなかったので、
「ベラート」を経由して、ギリシャとの国境にほど近い「ジロカストラ」まで南下、
そこから北東に上がり、オフリッド湖やプレスバン湖辺りへ回り込んで行けばいいか、などと考えていた。

楽しいディナータイムは22:30に終わり、そこからこぞってBARに繰り出し、語らいの夜はまだまだ終わらなかった。

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「昨日の話で教えてくれた『ベラート』に行こうと思います。
 バスはどこから乗ればいいですか?」

地図に印をつけてもらい、バス乗り場のメドをつけた。
ヨーロッパ最貧国でもあるアルバニアはインフラが整備されておらず、いわゆる総合的な「バス・ターミナル」がない。

南に向かうバスは街の南側から、東のマケドニア・オフリッド方面に向かうバスは北側からと、
バスの発着地点が行き先によって、それぞれが街の外郭に陣取る形となっている。
そのため西から流れて来た際、街の西側のロータリーのなにもない所で降ろされた、というわけで、
モンテネグロ方面はあの西側エリアが発着場所なのだ。

IMG_0718.jpg
「『ベラーティ』はそれほど難しくないと思うよ、バスも直通だし。
 ただあそこからマケドニア方面にバスがあるか、ここだとわからないんだ。
 ある時は運航していて、ある時は廃止されて、という感じのルートなんで確実なことが言えないんだよ」

「わかりました、その情報だけでもありがたいです。
 バス・ルートがなければティラナに戻り、またこの宿に泊まりますよ」

「あはは、再会できるとうれしいけど、ルートがあることを祈っているよ」

「ありがとうございます。この場合、『また会いましょう!』っていわないほうがいいのかな?」

次の目的地が定まった。
この町は英語だと『Berat』、アルバニア語だと『Berati』とスペルが異なるので語尾に違いがある、
英語表記と現地語表記で異なる地名は厄介だ、
なにせ「ベニス」と「ベネチア」を違う町だと思っている人がいたぐらいだから。

なお、このブログではローカル発音で記しているので、ここからは「ベラーティ」扱いでいきますね。

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雨が上がるのを待って、9:50にチェックアウト、バス乗り場を探してティラナの南西へ向かった。

午前中の街はまた表情が異なり、荷物を背負った身だったが眺めて歩くのが楽しかった。
ひとつ気づいたのだが、ティラナの人々はやたらと掃除好きだ。
店先を履いているのはもちろん客寄せのためだろうが、なにげない通りや民家でも掃除している人が多い。
履き清めるだけでなく、打ち水をしている人も多く、なんとなく日本の原風景を観ているような気にさせられる。
日曜だからお掃除しましょう、というワケではないだろうから国民性かな、
こういう点はぜひアジアの赤い国にも見習ってほしいものだ。

宿のスタッフから「バス乗り場は時々変更されるから、マメに確認したほうがいい」という情報をもらっていたので、
掃除している人や店を開ける準備をしている人に道を尋ねながらバス乗り場を探す。
長距離バス乗り場は利用しない人にはまったくわからないので、
声をかけてもアタリハズレがあるのが厄介だったが、
アルバニアの人たちは億劫がらず、知らない場合は知っている人に聞いてくれたりもする。

未舗装のほこりっぽい路地に大型バスがたくさん止まっていたので、その路地に入っていった。

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「ベラーティに行きたいんだけど」

10:30、ようやくバス乗り場らしき場所を見つけ出したので、おかまいなしにそこいら辺にいた人に声をぶつけてみる。
40分も歩いてきたので、荷物はその場に下ろし、ミネラル・ウォーターを口にした。
辺りに案内板があるわけでもないので、バス乗り場であることを祈りつつ。

「ベラーティなら、こっちだ、来い来い」

そう言って来た男は、降ろしたキャスター・バッグを掴み、動き出したバスに向かっていく。

「これだ、このバスだ」

動いているバスを制すると、これに乗れという。
すでに動き出していたので、トランクを開けることはせず、
いいからいいから、とバッグを持ってくれていた男を追うように車内に進むとバスはおかまいなしに走り出した。

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車内はそれほど混んでおらず、いつものように後方席を陣取り、あらためて水を飲むと、ようやくひと心地つけた。

と思っていたのもつかの間、バスはティラナのところどころで客を拾い、気づけば車内は満席状態になっていた。
どうやら荷物を持って導いてくれた男はガイドらしく、
後から乗ってくる人から料金を集めていたが、ティラナの街を出る前にバスを降りていった。
乗り降りが激しい街なかだけ助手役を務めているようだった。

長距離バスながら、近隣の町への足も兼ねているようで、集落で人を降ろしては乗せてを繰り返し、走った。

途中、どこかの町のバス・ターミナルっぽいところで長めの停車となった。
ドアを開けた途端、物売りがバスを囲み、地元の乗客は待ってましたとばかりに飲み物やお菓子を買う。(写真6)
中にはおなじみの焼きあがったトウモロコシを家族分買って来たツワモノもいて、
車内は一気に遠足ムードが高まった。

「ココ、ドコ? べらーてぃ?」

周りに座る乗客に尋ねたが英語が通じなかったが、地名だけは伝わったようで、
「ノー」という返事をもらえたので、あらためて文庫本に目を落とした。

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舗装路は時折、未舗装の道に変わり、そのたびにけたたましい砂利の音と砂埃を立てて走り、
13:50、3時間でベラーティに到着した。

が建つ、
だだっ広い広場が「バス・ターミナル」らしく、
そこで出迎えてくれたのは、
美しい外観の『Saint Demetrius Orthodox Cathedral(セイント・デメトリアス・オーソドックス教会)』だったが、
それ以上に手厚いかったのはバスを降りるのを躊躇するほどの土砂降り雨だった。(写真8)

スコールといってもいいぐらいの激しさで地面を叩いていて、
荷物を担ぎ、店の軒先に駆け込んだものの、パンツの裾は瞬時にずぶ濡れになっていた。

しばらく身動きは取れそうもない、ティラナの朝の雨を持ってきちゃったかな、
雨宿りにカフェでコーヒーでも飲むか、と思った段階になってあることに気がついた。

ティラナからこっち、書き落としではなくちょっとしたヘンなデキゴトことがあったのだが、
みなさんお気づきになりました?


ティラナからベラーティへ
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第十二夜 Blessed Day @Tirana [Albania]

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夕方になるまで街歩きを続け、暗くなる前に宿に戻った。

がんばってアチコチ歩いたものの、ティラナにはやはり見るもの自体が少なく、
イキアタリバッタリの散策も最後は手詰まりとなってしまった。
「ナニカを観なくては」とか「ドコカに行かなくては」という旅ではないので、
見るものがないことにはさほどダメージを感じてはいない。

歴史的建造物とか世界遺産なんてものがあれば確かに大きなアドバンテージだが、
雑貨屋の店先で買い物する人を眺めたり、
小さな市場の店先をヒヤカシて歩いてみたり、
公園で夕涼みをしながら子供たちを遊ばせている家族の隣のベンチに腰掛けてみたりするだけでも楽しいのだ。
地元の人の生活に少しだけ入り込んでいるような気になり、異国を旅してるんだなあ、と改めて感じる。

ただ「異国にいること」は100%確かだけど、「入り込んで」いるのはほんの数%だけなのかもしれないけどね。

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「おかえり~」

例のドイツ3人組のうちのふたりがテラスのテーブルでビールを楽しんでいた。
このホステルは庭が広く、食事をとれるテーブルやクッションが散乱する東屋があり、
宿泊客の多くが時間に関係なく、自由気ままに庭のそこいら中で寛いでいた。
Wi-Fiを捕まえることもできるので、エアコンがない室内にいるよりも外のテラスが快適なのだ。

「あれ? ふたりだけ?」

「ああ、ルーカスは寝てるよ」

「ビール、おいしそうだね~」

「おかわり頼むから、ついでに頼もうか?」

このホステルはちょっと変わっていて、夕方になるとグラス・ビールを販売していた。
大方の滞在客はこれを気に入っていて、帰ってくると庭でグラスを傾けている。
一杯300レク(!)ぐらいなのでジュース気分で気軽に飲める、出かけないでビールに浸っている人もいるぐらいだ。

「ごめん、アルコール飲めないんだ。実はモスリムなんだ、というのはウソだけど、酒弱いんだ」

「ごめん、そうなのか。じゃあ、しゃべらないか、ビール抜きで」

「いいね、じゃあ、コーヒー淹れてくるわ」

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部屋にカメラ・バッグを置き、キッチンにあるコーヒーを取り、テラスに戻ると寝起き顔のルーカスが現れた。

「ああ、よく寝た。よし、おれもビールだ」

「ビールが目覚まし、とはさすがドイチェン(ドイツ人のこと)だね。
 じゃあ、ビールのアテにこれあげるよ」

そういってバッグにしまってあった「柿の種」の小袋を3人に手渡した。

「へええ、おもしろいスナックだね、日本のもの?」

「ライスでできているスナック、日本ではビールといえばコレなんだ。ちょっとスパイシーかもよ」

「おお、ちょっぴり辛いね。でもオイシ~、カタジケナイ」

油断するとパベルの妙な日本語に唐突に斬りつけられる。

「ん~、おもしろい味ね、これ。ドイツじゃこういうスナックで呑まないわね。
 ソーセージかチーズ、あるいはフランチ・フライ(ポテトフライの英語)かな。
 あ、そういえばあなた、FacebookのID持ってる?」

マルガレッタがチビチビと柿の種を齧りながら、スマホを差し出してきた。

「お! 交換しましょう!」

そういってFBのIDを交換し、UPされた互いの写真を見ながらさらに話は膨らんでいった。

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旅先で出会い、少し仲良くなるとかつては住所を交換し合い、次の旅先からエア・メールをしたためたりした。
それがいつの間にか「e-メールある?」という言葉に変わり、
今では「FacebookのIDある?」で、すぐにその場で繋がることができている。

こちらはスマホじゃなくて、PC担いでの旅なのでWi-Fi環境がないと少しばかりややこしいが、
どこの安宿でもWi-Fiは完備されているので、ホステルやゲストハウスで仲良くなった場合には問題ナシだ。

昨今はこんな感じのヤリトリが主流、そこをあえて旅先から親しい人にあえてエア・メールを書く、なんてのはいかが。

自分の家族はモチロン、ちょっとご無沙汰になってしまった人などでもハガキなら「旅」を言い訳にコンタクトが取れますぜ。
昨今はアジアなら3日ぐらい、USやEUでも一週間かからず着きますからね。
ロマンティック派なら旅先から自分宛てに書いてみたり、なんてのもアリですぜ。

ホステルで出会うヨーロピアンはけっこう絵葉書を書いている人が多いんですね。
ヒマツブシのひとつなのかもしれないけど、旅先からその人に思いを馳せるのもなかなかいいものかと。
旅先じゃないとね、こういうのはこっ恥ずかったりしますし、
Webに楽しそうな写真UPされてもね、こっちは休日出勤で忙しんだよ、なんてイラッとされたりするだけだったり。
あ、イラッとさせているのは、おれか。

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「ハーイ、ジャポネ! 君、ディナー、行くの?」

別の宿泊客から、そう声をかけられた。

「え? なにそれ?」

「あ、さっきマネージャーがみんなに声かけてディナー行く人、募ってたんだよ。
 だから君も行くのかな、って思って」

「へえ、そうなんだ、そうなら行きたいな。ちょっと聞いてくるよ」

フロントにいたマネージャーに夕食の件を尋ねた。
スキンヘッドにヒゲ面、とちょっとばかりイカツイ感じの外見の彼だが、(写真6)
言葉遣いがていねいでものすごく親切なことはここに滞在してわかってきていた。

「ディナーって、今からでも加わることできますか?」

「おお~、歓迎歓迎。ダイジョウブだよ、席だけ抑えてあって料理は向こうで注文して、それをみんなでシェア。
 飲み物は別払いでたぶん1000レクもかからないと思うよ
 たくさんいるとニギヤカで楽しいから歓迎だよ、じゃあ20時にここに集まって」

昨日の食べ過ぎたキョフテの夕食の額を考えると、レストランでその値段は安いように思えた。

近所にカルフール(フランス系のスーパー)があったので、夕食はキッチンで適当に済ませるつもりでいた。
ブログでも繰り返し記しているが、一人旅にマイナスがあるとしたら「一人飯」がその大半を占めている、
その欠点を回避できるなんて、嗚呼、舞い降りる幸運。

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「キミタチは行かないの?」

「ああ、さっき前のケバブ屋で食べちゃたんだよ。昼食がヘンな時間だったからおなか減っちゃって」

「あのロータリーのそばの店? あそこ、うまいよね? 昨日の夜、食べたよ」

「それに驚くぐらい安い! ビールに合う! チーズもウマイ! カタジケナイ!」

夕食ご一向様はマネージャーに自分を含めた10人、「歩いて行ける」ということでゾロゾロと歩いてレストランを目指した。

『スカンデルベグ広場』を横切り、『Rr.Kavajes(カヴァヤス通り)』をひたすら西に進む。
みなとしゃべりながらの道行きだったのであまり気にならなかったが、歩みは止まらなかった。
さすがに途中で「おいおい、どんだけ歩くんだよ」と気になりはじめると列の先頭が立ち止まり、
みなが固まったそこには古風なアルバニア・スタイルのレストランがあった。

時刻は20:30を回っている、時間通り集合したので軽く30分は歩いた計算だ。

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それぐらいの距離を歩くことは気にならなかったが、この旅でヨーロピアンはよく歩くと感じていた。
ドゥブロヴニクで一緒だったダニエルと彼女も旧市街からバス・ターミナル側の宿まで気にもせず、小一時間は歩いたし、
ドイツ3人組もこのホステルまでバックパックを背に苦も無く歩いてついてきていた。

駅から徒歩15分ぐらいの圏内で動くことが多い日本人とはおそらく生活スタイルが違うのかなあ、
そういえばシンガポール生活では10分と歩かなかったなあ、なにせ汗だくになっちまうからなあ、
などと席についてからも考えていると、眼の前にメニューを差し出された。

「英語版だよ、それぞれ好きなものを頼んで、みなでシェアしよう」

マネージャーがメニューを配りながらみなに説明する。

「でもどれが名物か、ドレがおいしいか、わからないんで、代わりに頼んでくれませんか?」

「ああ、それがいいアイデアだ、そうしましょう!」

メニューを見ても地元料理の名前はわからないし、できることなら店のオススメ、オイシイところを食べたいので、
勝手知ったるマネージャーに任せた方がハズレがない気がして、そうツブやくとテーブルのみなが同調してくれた。
ちょっとズルイ作戦だったかな。

「じゃあ、ナニ肉が食べたいか、どの野菜が食べたいか、それを聞いてオーダーするよ。
 飲み物はそれぞれ自分で考えてくれ~」

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マネージャーは機転を効かせ、みなの要望を聴き、まとめると手際よく注文を入れてくれた。
次から次にテーブルに現れる皿を順に回し、ニギヤカに食卓は進んだ。

「足りなかったら追加するから、気に入った料理があったら覚えておいて!」

やってきた料理をいぶかしげに見送る人もいれば、興味本位で口にしてみる人もいる。
宗教的に飲めない人もいるので(本当)呑みたい人は呑み、飲まない人は飲まず、
ベジタリアン(本当)は野菜料理だけを攻め続け、
極東の野蛮人(自分)はスキキライなく出てくる皿をひと通り味わっていた。

アルバニア料理をタップリ味わう一日、食卓を囲む相手に恵まれた一日、ランチにディナーに、旅先で恵まれた一日。


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第十二夜 Tranquil Scene @Tirana [Albania]

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おじいさんに感謝を述べ、モスクを出るとそこには戸惑った感じの東洋人がいた。

「どうしました?」

ボスが一緒だったので問題解決の助けにもなるだろうと思い、日本語で普通に声をかけた。

「あ!日本の人でしたか。現地の人と一緒だから別の国の人かと」

確かに無精ヒゲも髪もボサボサなので、そう見えても仕方がない。
前にも記したが、バルカン・エリアで東洋人を見かけると個人旅行の中国人か、ツアー・グループの韓国人がホトンドだ。

「あはは、がっつり日本人です。で、どうしました?」

「いやあ、このモスクって立ち入り見学できるのかな、って思って。
 あのおじいさんが見張っているので」

「入れます、入れます。今、観てきたところですし。
 あのおじいさん、ただの説明好き、世話好きのじいさんです」

「あ! そうなんですか! では」

こちらの言葉に後押しされたかのようにモスクへ入って行った。

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「ジャパニーズ?」

今のやり取りを見ていたボスが言う。

「そうです、めずらしく日本の人です」

「ふたりの会話を一言たりとも分からなかったよ」

「それをいうならわたしもあのおじいさんのアルバニア語がまったくわかりませんでしたよ」

「あはは、確かにそうだ。でもこうして国も言葉も宗教も文化も違う者同士が交流してる」

「ですね、そういう現象がおもしろくて旅をしています」

「そういうお客さんをたくさん運んできてください。では、ここでお別れです」

「ありがとうございました。お世辞ではなく、ぜひまたティラナを訪れたいです。
 あるいはツアー・ガイド(添乗員のこと)として日本人グループを連れてきてもいいですね」

「ああ、それはいいアイデアですね、お客さんを運んでくれるのはうれしいですね。
 取材でもかまわないのでぜひまたいらしてください、その時はまたご飯でも食べましょう」

案内役をかってくれたボスに礼を述べ、握手を交わし、別れた。
そんなあいさつを交わしている間にモスクを見終えたのだろう、入れ替わりでさっきの彼が姿を現した。

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「さきほどはありがとうございます」

「いえいえ、ただのお節介です、こちらこそすみません」

「ホント、現地の人といたんで日本語で話しかけられて驚きました。
 ここいらの国だと日本語で話しかけられることが少ないので」

「ああ、たしかに。そういえば旅先で日本人なのに英語で話しかけてくるヤツ、いません?」

「います、います。アレはナゾですね」

これまで行ったところやこれから向かうところなど互いに旅の情報交換を語らう。
京都からやって来た彼はなんとクルマとドライバーをチャーターし、
バルカン・エリアの田舎町までくまなく巡っているという。
驚くことに歴訪国数はこちらを遥かに凌ぐ旅のベテランでもあった。

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「カフェで冷たいものでも飲みませんか? ここで立ち話しているとこの日差しでぶっ倒れそうだ」

午後の一番熱い時間、陽射しはおかまいなしに肌を焼き、気温は天気予報がいっていた数字を軽く超えているようだった。

「そうしたいんですが、夕方を前にティラナを発つんで慌てて市内見学してるんです」

夕方前にドライバーと約束してあり、そこから次の街を目指すそうだ。

「おおっと、それは残念、でも予定のジャマしちゃいけないですね。
 じゃあ、ここでサクッとそれぞれの旅に戻りましょう」

「いや、日本の人と話しするとは思わなかったんで楽しかったです」

「それはこちらもです」

握手を交わし、それぞれの旅路に戻った。

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といってもアポイントメントを消化したこちらに予定はなく、あとはブラリとティラナの街を巡るだけだ。
市内地図を広げ、行き先を考えていると声をかけられたので、一瞬、身を固めた。

「Can I help you?(どうしました?)」

「あ、『マザー・テレサ広場』に行こうかと思って」

「それならあっちですよ、ただし今、工事中ですよ」

「そうですか、ありがとうございます」

アヤシイ客引きの類かと思い、身をすくめたのだが、普通に親切に道を教えてくれた人だった。
この「親切道案内」はアルバニアに留まらず、この後、バルカン・エリアのどこの国に於いても見受けられる光景で、
地図を広げればモチロン、地図なしで立ち尽くしていても、止めどなく助けてくれる人が現れる。
まるで「困った人がいたら助けなさい」と教わった学童のように普通の人が当たり前に声をかけてくれるのだ。
この後の行程でも「May I help you?」というセリフを何度耳にすることか。

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廃墟と化しているピラミッド型の『Pjeter Arbnori(国際文化センター)』を通り過ぎ、(写真3)
緑が深い公園に囲まれた『ティラナ大学』に迷い込み、
オスマン朝時代に築かれた『Ura e Tabakeve(タバカヴェ橋)』を渡った。(写真4)

なにを考えるでもなく、ただただ無目的に歩き回ったのだが、それほど疲れを感じてはいなかった。
知らない街でカメラ片手であれば、いくらでも歩けると思っている、好奇心が尽きない限りは。

歩けば歩くほどアタマの中は空っぽになり、感覚は研ぎ澄まされていくのだが、
その状態になり、この国にはうるさいチェーン店やファストフードがないことに気づかされた。
カンバンがないことはもちろん、世界中に蔓延る有名店の類いがまったくないのだ、それだけでなんと瞳に麗しいことよ。

代わりといってはナンだが、「AFC」なんてジョーダンみたいなフライド・チキンの店はあったけどね。(写真5)

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ツアコン時代、西欧化しつつあったブダ・ペストを訪れたときにも似たような風景だったことを思い出した。
スポーツ・ブランドや清涼飲料水などの騒がしいカンバンはなく、
古い店と石造りのアパートメントが並ぶだけの街並みはくすんだ印象を受ける色合いだったが、
それが割り増しでスマートに思えた。
殺風景といってしまえばそれまでだが、資本主義に毒されてない街というのは清涼感さえ漂っている、
飲料水のカンバンがないのに、だ。

国立美術館の周りは緑の濃い公園になっていて、日陰ではドミノに興じる人たちがいる。
左に折れると『Murat Toptani』という名のキレイな遊歩道が伸び、傍らにはかつての城壁の跡が残されていた。
広場では小さな火鉢で焼きトウモロコシ売りが商売をしている。
歩き疲れてベンチに腰を下ろしたが、この暑さの中、トウモロコシを齧る気にはならないな、と辺りを見回すと、
通りの向こうのジェラート屋が目に留まった、おお~、麗しきオアシス発見。

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吸い寄せられるように店先に立つと、学校帰りの小学生が馴れた感じで、
次から次にビスケットにアイスを挟んでもらったものを手にしては駆け去っていく。
どうやら30レクぐらいの金額を払っていて、ジェラート屋さんは完全に学校帰りの駄菓子屋状態と化していた。

「マンゴーのジェラート、ください」

子供たちの間隙をついて注文を告げる、店名に「MANGO」と書いてあるのだ、マンゴーのアイスが不味いはずがなかろう。

カップに入ったマンゴー・アイス(写真1)は70レク(!)、ベンチに戻り、しばしカフェ・タイム。


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第十二夜 Time of Islam @Tirana [Albania]

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ひと気のない大通りを歩き、クルマに戻った。

「では、次はモスクに行きましょうか」

「わかりました。それにしても一国の首都だというのに人が少ないですね。
 いつもこんな感じなんですか? それとも官公庁エリアの週末だから?」

あまりにも人影が少ないので思い切ってボスに尋ねてみた。

「この時季、アルバニア人はみんなビーチに遊びに行くんですよ、だから週末の街なかはガラガラです。
 平日のここはクルマ停めるスペースを探すのに苦労するぐらいですよ」

8月の熱い時季にはこぞって海辺の町を目指す、なんていうのは経済成長期の日本、昭和を感じさせる響きだ。
アルバニア人も夏は「海水浴」に勤しむわけですね。

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だだっ広い『スカンデルベグ広場』に沿うように立つ『Xhamia Et'hem Beut(ジャミーア・エフムト・ベウト)』は、
18世紀後半に建てられ、幸運にも宗教活動が禁止された社会主義に打ち壊されることなく生き残ったモスクだ。

中には厳つい表情のおじいさんがいて、番人よろしく出入りの人を見張っていて、少しばかり気圧される。

「気にしないで入ってかまいませんよ」

「写真、撮ってもダイジョウブなんでしょうか?」

「今の時間は祈っている人もいないので、問題ないですね」

そういうとボスはおじいさんを釘付けにするかのように話し相手となり、こちらをフリーにしてくれた。
おかげで番人のゾーン・ディフェンスを交わすことができ、ゆっくりシャッターを切ることができる。

ところが反対にディフェンスを交わしたおじいさんがこちらにやって来て、
ていねいにフレスコの年代やモザイクの意味合いを説明しはじめた。
結局、マンツーマン・ディフェンスで張り付かれたわけだが、アルバニア語を中心とした説明がほとんどわからなかった。
横からボスがそれとなく訳してくれ、なんとか理解を深めるに至ったが、
厳めしい顔つきのおじいさんはただの説明好きだったようだ。

外観とは異なり、中には歴史を経たモザイク画が鮮やかに広がっていた、しばしモスリムの時へ。

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第十二夜 Business Meeting @Tirana [Albania]

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―DAY12― 8月16日

今日もしっかり晴れたが、これまでの涼やかな海辺の町とは異なり朝からムシ暑い。

TVニュースが最高気温は35℃です、と告げていた。
朝食を食べようとキッチンに向かうと、個別のプレートが用意されていて、
安宿の朝食とは思えないほどしっかりしたメニューの皿が供されていた。

熱いコーヒーを入れ、そこにたっぷり牛乳を注ぐ。
これだけでもしっかり目覚ましになるがプレートの朝食を頬張った、もちろん遠慮もせずに。
安宿で「朝食付き」となるとパンにジュースぐらいが相場、それでもナニかを口に入れられるのでうれしい限りだが、
チーズにフルーツまでついているプレートの登場には大いに驚かされた。
ちなみに写真奥にあるイチジクのジャムがも~うウマくて、パンのお代わりをもらったのはワタシです。(写真2)

う~ん、一泊9,5ユーロでこの朝食がついているなら、もう一泊してもいいかな、などと考えていた。

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昨日のバス移動の疲れを言い訳にして、午前中はのんびり過ごした。
庭にあるベンチで宿の大きな番犬くんとジャレあったり、テラスのソファでコーヒーを飲んだり、
ゆっくり過ごしつつ、やはりもう一泊することを決心し、フロントに告げた。

昨夜の夕食はオドロキの安さで感動ものだった。
1つ30レクの「キョフテ」を5本、「ヨーグルト・ソース」、「パン」、「アイスティ」を頼み、
それに隣の酒飲みオヤジが頼んでいたチーズの盛り合わせが旨そうだったので、それを追加、
少し食べ過ぎて、660レク也というシロモノ。(前日の写真8)

肉をヨーグルト・ソースで食べるモスリム・スタイルはトルコでもモロッコでもお気に入りだったので、
懐かしくもあり、楽しくもあり、食が進んだ。
やたらと物価が安いこの国に長居してオイシイモノで充電しておくのも悪くないな、なんてことが頭をよぎっていた。

実はこの日、午前中をダラダラ過ごし、移動できずに連泊を決めたのにはワケがあった。

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昼の時間にこの旅で唯一のアポイントがあり、人と会わなくてはならなかったのだ、
ここだけ少しばかりのビジネス・モード。
独立間もなく、途上にあるこの国では「観光局」のようなものが整備されておらず、
現地のランド・オペレーター(現地手配会社)がその役割を担っている。
訪問ついでにそこの担当に話を伺おう、というワケですね。

ちょっとここで本職が顔を出し、まだ発刊されてない「バルカン諸国」のガイドブックを手掛けられないかな、との企てです。

執筆しているのは『某歩き方』アメリカ全般ですが、(USA、BOS、DC、LA、西海岸などなど)
バルカン・エリアはまだ『クロアチア編』が刊行されたばかり、
コアなバルカン各国の案内はまだまだ成立してないので、情報収集という名の取材です。

約束の12:00に合わせ、ホステルを出る。

歩いて10分、教えてもらった住所は『スカンデルベグ広場』にほど近く、
言うなればティラナの「丸の内」的な場所なのだろう、辺りにはTV局や政府の建物が軒を連ねていた。

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『Albania Experience』のオフィスへ訪問、ボスとのミーティングでアルバニア情報を教えてもらう。
どうやら『ベラーティ』、『ジロカステラ』(現地語ではこう発音していた)辺りは外せないエリアらしい。

「バルカン・エリアではまだ手配が行き届いてないが、うちは全エリアをカバーしている。
 ホテルも新しくキレイなものしか使っていないので、日本の旅行者には安心してたくさん来てほしい。
 そのためにもアルバニアだけのガイドブックを出して、後押ししてくださいね」

まだまだ日本人観光客は少ないらしく、かなり切実にお願いされてしまった。

実際、ティラナに到着するまでクロアチアを除いたバルカン・エリアで日本人のツアー・グループを見かけることはなかった。
料金が高い8月のハイ・シーズンということを割り引いても、韓国系、中国系に比べると圧倒的に少ないのだ。
どうでもいいことだが、ここまでの道のり、まだ日本人と言葉を交わしてない。

「ランチに行きませんか? 他のスタッフも一緒ですが」

土曜日は半日でオフィスを閉め、スタッフと食事をしてから帰るのがいつもの流れらしく「気にせずご一緒に」と誘われた。

オフィスからほど近い場所にあるまぶしいぐらい明るく清楚なピッツェリアに入る。

レストランはその名の通り「ピッツァ」を出す店でもあったが、アルバニア料理もふんだんに並んでおり、
後から持ってきてもらった英語のメニューには知らない地元料理が並んでいた。

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「あの~、アルバニア料理に挑みたいので、オススメを教えてください」

ボスやスタッフにそういうとメニューを指し示し、アレコレと提案してくれた。

「キョフテはご存知? へえ、昨日食べた?
 でもここのは『肉ナシ』キョフテなんですよ、繋ぎにマメを使ってるんです。
 あと外せないのはピラーフかな、ここのは特別オイシイですよ。
 それとレバーはダイジョウブですか? ここのレバーの煮込みはちょっとスパイシー(辛い)でイケます」

「キライなものがないので、なんでも食べられます。ではそれらを注文することにしますね」

納豆が食えない、という説明はここではいらないだろう、
極東の国を出てしまえば「キライなものはナシ」という扱いでいけるはず。
モチロン「ムシ」の類を食べるのは食糧危機に陥ってから、と決めているので今のところは好んで食べないことにしている。

「どうです? アルバニア料理の味は。こういう料理が日本の人の口に合うのか、心配です」

「日本人は比較的外国料理への興味が強いので、ひどく辛いとかひどく脂っこいとかでなければ、楽しく食べますよ。
 実際、トルコ系の料理なんかはすごく人気がありますし、アルバニアの料理をツアーに織り込んで問題ないでしょう」

テーブルの上には数枚のピッツァと肉ナシ・キョフテ(写真4)、レバーの煮込み(写真5)などが並び、
少し遅れて炊きあがったばかりのピラーフ(写真1)がやってきた。
ああ、今回は食べ物のハナシと写真ばかりで恐縮デス。

どれもこれも美味しかったが、それにも増して、ニギヤカに語らいながらのランチが楽しかった。
異国の首都で初対面の人たちと楽しく食卓を囲む、なんてのは悪くない。

「空腹は最高の調味料」なんていうが、「テーブルの会話」こそ最高の調味料だ。

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「そうそう、話は変わりますが、彼は最近、ベイビーができたので、もういつもニヤけているんですよ」

あれこれビジネス的な話しをしているとボスはスタッフのひとりをイジリはじめ、スマホの写真を見せてみろ、とせっついた。
すると彼はスマホの画面上でカワイイ娘の写真を探し出し、見せてくれたが、
こちらに見せることよりも自分が見入っている時間のほうが長いように思えた。

「見えます? 彼の緩んだ顔」

「あはは、シアワセそうですね。ダイジョウブ? 普段、仕事になります?」

「ふふふ、仕事はもちろんちゃんとやってます、ですがもう毎日早く家に帰って娘に会いたくて」

「となると、ここでランチしている場合じゃないですね」

「そんなことはないですよ! せっかく日本の人が来てくれたのに!」

少しばかりヒヤかすとテレて割り増しで笑顔が崩れた、どこの国も子供を持った親は同じなのかもしれない。

「彼がこんななので午後はわたしが案内しましょう、ティラナの見どころをいくつか」

「ありがとうございます。自分で歩くつもりだったので助かります。
 彼をランチ後に自由の身にしてあげないと、恨まれますからね」

「そんなことはないですよ~」

スタッフの面々と握手とハグを交わし、ピッツェリアを後にするとボスのクルマに乗り込んだ。

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「ティラナは見るものは少ないのですが、散歩がてら軽く案内しましょう」

そういうと『スカンデルベグ広場』の南に向かい、広い通りにそのままクルマを止めた。

「ここがパーラメント・ハウス(Parliament House=国会議事堂)、国の機関はこの周辺に集まってますね。
 そしてこれがコミュニスト・バンカー(壕)です」

樹木が覆い繁る公園に丸くて異質なものがあった。

「かつて共産主義時代に使われたトレンチ(塹壕)にあったバンカーですね」

「なんでこんなところにこれが残されているんですか?」

「歴史の汚点を忘れないように、でしょう。まだ各地にも残ってますよ。
 今からすると暗黒の時代でしたから、この国が同じ過ちを繰り返さないようにと」

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少しばかり耳慣れない政治的な英語が増えてきたので瞬時に理解できず、噛み砕くのに時間がかかった。
日本の軍事用語でよく耳にする「トーチカ」はロシア語なので、当然、ここでの英会話には出てこない。
ちなみに塹壕で襟を立て、前を覆えるコートが「トレンチ・コート」であります、閣下。

この国は第二次大戦後、王制を廃し、共産主義政権が成立、
しかし社会主義国家ながら、その後、ソ連と対立し、「無神国家」を宣言、
国内には50万(!)以上のバンカーを建造し武装、今も地方にはそれらが残っているという。
東側諸国の崩壊とともに開放化し、1992年の総選挙でようやく歩き出したばかり、国としてはまだ20代の青年なのだ。

彼の説明を耳にして、かつて「弾薬庫」と呼ばれたバルカン・エリアの複雑な背景をあらためて思い知った。
現地の人の口から語られる言葉は重みが違う。

人々が午後の寛ぎで憩う公園には、トレンチのほかにも「刑務所のゲート」や本物の「ベルリンの壁」などが並立していた。
その奥ではこの週末に式を挙げるのだろう、新婚カップルが写真撮影にいそしんでいる。

差し込む日差しと裏腹に歴史の影がそこにはあった。


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第十一夜 Arrived in the Capital @Tirana [Albania]

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道行く人に声をかけ尋ねた、なにせここがティラナなのかどうかも確かではないのだ。

「ティラナのセントラル(中心地)に行きたいんだけど」

「それならその道をまっすぐ行けば広場に行き当たるよ」」

「ありがとう」

ティラナまで運ばれてきたことは確からしい、礼を告げ、歩き出そうとすると声をかけられた。

「どっちが街の中心だって?」

バスで一緒だったドイツの3人組だ、彼らは違うミニバンで少し遅れて降り立ったらしい。

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「あっちに進めばいいらしいよ」

「一緒に行っていいかな? 宿のアテとかあるの?」

「一応、街の真ん中に近いところにホステルをブッキングしてあるんだ。
 道のりはざっくりメモは取ってあるけど、詳しい地図はPC広げないと分からない。
 そちらは宿は決まっているの?」

「僕らはノー・アイデア。 そこはいくらぐらいの宿? ホステルなの?」

「ドミで9ユーロぐらいかな、あ、朝食が付いてこの値段だったよ、気になるなら一緒にきてみる?」

「朝食ついてその値段はいいねえ、ベッドに空きがあるといいなあ。
 まあ、なくても近隣に似たような宿はあるでしょ、じゃあ、僕たちを連れて行ってよ。
 あ、でもその前にATMでお金降ろしたいんだけど」

「かまいませんよお、宿までご案内いたしましょ~。
 そうなると宿のマネージャーから手数料もらわないといけないな、3名様、ご案内!ってね」

「モウシワケ、ゴザンセン」

ということでこちらがブッキングしたホステルまでの道行きを共にすることになった。

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どうでもいい話だが、途上国にいる宿の客引きやホテルを案内したがるタクシー・ドライバーは、
ウォーク・イン(当日飛び込み)の客を案内して、幾ばくかのマージンをもらい、小遣い稼ぎをしている。
安宿ならばその分は客に上乗せさせるので、メイワクでしかなく、
親切顔して案内してくれるアナタの横にいるソイツはあなたの顔が通貨マークにしか見えていないというわけだ。
先の言葉はお互いそれを分かったうえでのジョークですね。

特に急ぐわけでもなく、話しながら歩く仲間がいるのは悪くない。
激しく車が行き交う通りを車内での続きを語らいながら、ATMを探しつつ、歩いた。

3人は大学時代の同級生で、今は別々の仕事をしているが、夏のバカンスにイスタンブールから西に向かっているらしい。
陽気でおしゃべりなルーカス、物静かな女性のマルガレッタ、
そして時折、妙な日本語を挟んでくるパペルは仕事を辞め、秋から大学に戻り、勉強をはじめるという。
年齢はバラバラだが、3人が30代の社会人ということもあり、こちらも話しやすくあった。

「ダメだ、ここのATM、降ろせない」

海外のATMには系列銀行のキャッシュ・カードで降ろせるものとクレジットカードでキャッシングできるものがあり、
彼らは事前にドイツで作って来たキャッシュ・カード対応のATMを探しているようだった。

「ま、歩いているうちに降ろせるマシンが見つかるんじゃない?」

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日本と異なり、ヨーロッパの場合、街角のアチラコチラに剥き出しでATMが設置されている。
2~3つ試したところ、3人のうちのひとりが手数料なしで降ろすことに成功した。

「よし、これで飢え死にしないぞ。フフフ、キミタチはお金を持っている僕の言うことを聞きなさい」

アルバニアの通貨「レク」の紙幣を手にして、ルーカスがおどけて見せた。

「よーし、まずCAFEに行こう。さすがにバス移動で疲れたよ、冷たいものでも飲んで休憩しよう」

「え、両替してないからまだお金持ってないけど」

「だから僕のいうことを聞きなさいって、心配ないから。みなCAFEを探すのだ!」

彼の言葉に促され、大通りを一本入ったところの路地にカフェを見つけ出し、4人で足を運んだ。
それぞれが重い荷物を床に投げ出し、ソファに腰を下ろしたり、ストレッチでカラダをほぐしたり、バス旅の緊張を解き放った。

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「ねえねえ、ここ、どこなの?」

店員の少年は英語がまったく通じないようだったが、
パベルがバックパックから引っぱり出し、差し出した地図を広げて見せると現在地であるこの場所に印をつけてくれた。

どうやらミニバンから降ろされたこの辺りは街の西側の外れのようで、
道を尋ねたオジサンが言った通り、
まっすぐ向かえば街の中心である『Sheshi Skenderbej(スカンデルベグ広場)』にぶち当たる。
この広場がわかれば、北東の方角にホステルはある、ということだけは感覚で掴めていたので、まずは安心した。

冷やされた缶飲料を氷の入ったグラスに開け、ノドを潤し、小休止したのち、街の中心に向けて歩いた。

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スカンデルベグ広場まで大した距離はなく、5分ほどでもっともアルバニアらしい場所に辿り着いた。
市バスを待つ行列や買い物袋を提げた人が慌ただしく行き交う風景は首都らしい光景であったが、
大きな銅像にモスクと、これまでの西側の首都や街とはかなり毛色が異なっていることは確かだった。

だだっ広い広場を横切り、『Luigi Gurokuqi』通りを辿り、小さな市場が並ぶラナバウトをやり過ごし、
未舗装の路地にある住宅地を歩くと10分ほどで『Hostel Albania』を見つけ出すことができた。

頑丈な門構えをくぐると雑多な感じの広い庭があり、その正面に建物がある。

「すぐ見つかってよかったね。でもずいぶん、豪勢な敷地だ」

「ホステル、というか、民家だよね、これ」

軽口を叩きながら、フロントへ向かい、名前を告げ、予約番号を伝えると、ベッドの番号をくれた。(写真3)

「この3人も泊まりたいらしいんだけど」

「ダイジョウブ、ベッドはあるよ」スタッフがいう。

「よかった、これ以上、捜し歩かなくて済むわ」

「案内してくれてありがとう、カタジケナイ」

パペルの日本語は明らかにヘンだったが、使うタイミングを間違っていないので、常に妙な気分にさせられた。

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「じゃあ、荷物置いたら出かけちゃうから、またね」

両替もまだだったことといつもの好奇心で、すぐに街の中心に舞い戻り、歩いて回りたかった。
時計はすでに18時に近い時間を指していたので、
現地通貨を手にしたらどこかでまともな食事を摂ってしまえばいいとも思っていた。
なにせ今日一日、バスで過ごしただけなので、キモチ的にもカラダ的にも凝り固まっていた。

「ぼくらはシャワーでも浴びて、休憩することにするよ、またね」

3人に別れを告げ、ティラナの街に繰り出したものの、3軒巡った両替店はいずれも閉まっていた。
「時間が遅いのか?いや待てよ?両替店はそんなに早く閉まらないよな?あれ?今日、ひょっとして金曜か?」
頭の中を疑問符だけが駆け巡るが、答えを求めようがなく、現状でどうするかだけをシンプルに考えなくてはならなかった。

使えるATMを探し出し、クレジット・カードでキャッシングし、手際よく「レク」を手にした。
国や通貨によってはこちらの方が得だったりもするので時々、使う手段だ。
両替できない状態だったので、選択肢はない、金ナシなら今夜は飢えてしまうのだ。
ちなみにこの「レク」、換算レートが¥1=0,99レクなので、
表示金額をそのまま呑み込んでしまっていいという日本人に都合のいい通貨だ。

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ひと通り夕暮れの中心地を巡った後、宿に向かう手前のラナバウトに戻った。

そこには小さな市場やカフェ、食堂が軒を連ねていて、
ケバブやキョフテを網焼きしている旨そうなニオイとケムリが歩道に並べられたテーブルのほうにまで立ち込めていた。
さっき通り過ぎた時点でその香ばしい薫りにすっかり魅了されていたのだ。
どうやらイスラム系が多いせいか、レストランや食堂にはトルコ系に似た料理が多いようだ。
そう、イスラムの国では「金曜」は我々の日曜同様「安息日」、だから両替店も閉まっていたのかもしれない。

自分の中の約束を履行するため、一番混んでいる店を狙い、入っていった。


「Hostel Albania」はこの場所 ↓ ★こちらにレビューあります
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第十一夜 Entry to Republika e Shqipërise @Tirana [Albania]

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―DAY11― 8月15日

宿の窓からの景色は格別で、雲が多い朝の空さえも清々しく思えた。

やはり「世界遺産に泊まる」というのはちょっと別格の気分、
たとえそれが1,000円ちょっとのドミトリーであっても、だ。

8:30、手際よくチェックアウトを済ませ、歩いてバス・ターミナルへ向かう。
ひと気がなく、乾いた風が吹き抜ける朝の城内も気分がいい。
そこには普段の生活を営む地元の人しかおらず、世界遺産を貸切にでもしたような気分に浸れた。
こうなるとなんでも気持ちがよくなり、なんでも素晴らしく思える、
旅先の気分なんてそんなカンタンなキッカケでカンタンに移ろゆくものだ。

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時間通り9:00にやって来たバスは古いタイプのメルセデスで、明らかに使い込んだ中古とわかる代物だった。
荷物をさばく年配のドライバーも心なしか古びているような気がしたのは彼の服装からだろうか。
昨日買った「ウルッツィ」行きのチケット代金は9ユーロ、
どうやらこのバスはアルバニアの会社の運営のようで、トランクに入れるバゲージの代金を取られることはなかった。

3時間走り続け、12:10、『Ulcinj(ウルツィニ)』のバス・ターミナルに到着。

チケット売り場で「ティラナ行き」を尋ねると「次のバス、10分後よ」と窓口の女性がいう。
同じバスから降り、並んでいたブラジル人女性、イタリア人の2人組と「次のバス、10分後だってさ」と言い合い、
ともに慌ててトイレに駆け込み、チケットを手に指示された乗り場に向かった。

そこに待っていたバスも同じように古いタイプのバスで、
Wi-Fi付きを謳い文句にクロアチアやモンテネグロを走っていた最新型とは明らかに一時代も二時代も異なるものだ。
チケットを見せたものの「席がないよ」とドライバーは両手を広げてみせる。
時間がないこともあって、こちらは4人で「このバスのチケットはある」とケンカ腰。

トランクに4人がそれぞれ勝手に荷物を押し込み、悶着を続ける。
車内に乗り込み、見渡すと本当に席はすべて埋まっていて、自分たちが座るイスは一つもなかった。

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「シートない、ってなんだよ? チケットあるのに」

4人で口を揃え、ドライバーに文句を告げる。

「待て、待て。なんとかするから」

ドライバーのおっちゃんはカタコトの英語でそういうと、どこかに姿をくらました。

「おいおい、席ないのにチケット売るなよ」

「これ、次のバスに回されるのかね?」

「次のバスは16:30とか言ってたぜ」

4人はいったんバスを降り、ドアの前でブツブツ語り合いながらおっちゃんが戻るのを待った。
するとおっちゃんはすぐに戻ってきたのだが、小さなプラスティック製のイスを4つ手にしていた。

「ここ、ここ」

そういってそのイスを通路に置き、そこに座れ、という身振りで4人を促した。
それを見て通常席に座っている乗客が大爆笑しはじめた。
旅行者だけであろう車内の面々はドライバーのあまりにも常識はずれな対応にバカウケしているのだ。

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温泉旅行は [Yahoo!トラベル]

まるで4人は自分たちが笑われているかのような気分に陥っていた。
乗客はみな各地からここで乗り継いでいるのであろうから、
ちょっとした到着時間の前後でこの状況になるか、ならないかの違いでしかないのだ。

「おい、これかよ」

プラスティック製のイス、といっても風呂場で使うような腰かけるだけの小さなアレ、
BBQやテラス席で腰かけるようなシロモノでないのはモチロン、背もたれすらないヤツだ。
文句を口に出してみたが、こうなるとイスを蹴り上げて次のバスを待つか、あきらめてイスに腰を下ろすか、の二択。
車内に進むことに躊躇したが、おっちゃんはエンジンをかけはじめた。

もはや考えたり、文句を言っている時間すらない。

あきらめて4人それぞれが通路に置かれたイスに腰を下ろした。
車内は爆笑から拍手に変わり、それに合わせるようにバスは走り出した。

通路に腰かけた自分たちを労わるかのように周りの席の旅行者がアレコレ話しかけてくれていた。
動き出しと同時に各所で「ハイ・ファイブ」を求められ、(ハイタッチってのは日本語英語ですよん)
「どの街から来たの?」とか「ナニ人?」とか、しばらくは退屈しない車内が続いた。

通路の一番後ろに座ることになったのだが、左側は使うことができないトイレがあり、
そのドアに寄りかかることができたのが幸いだった。
右側は非常口でステップがあり、荷物も置けて芦野も伸ばせたので息詰まる感じなく、座っていることができた。
その後ろの最後部のシートを陣取っていたのは3人組のドイツ人で、
彼らは知っている日本語で話しかけてきたり、バカでかいチョコレートをくれたり、
互いにバカバナシをしながら過ごすことができたのも大きかった。

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13:15、おしゃべりが尽きる前にバスは国境に到着した。

バカンス・シーズンのためか、小さな検問所は混んでいた。
ドライバーが乗客のパスポートをまとめて集めていくだけだったので、こちらは車内で待てばいいだけだったが、
このオールド・バスは「走らないとエアコンが効かない」というハンデを抱えていた。

それでも「イス」がもたらした奇妙なアクシデントのせいで車内では話が尽きず、あちらこちらが楽しく盛り上がっていたが、
通風口からは生暖かい空気しか出てこず、窓もない車内は徐々に熱が増し、空気が澱みはじめていた。

30分ほど経った頃だろうか、フランス女性がしびれを切らし、
こちらの目の前にやって来ると非常口のドアを勝手に開け放った。

それと同時に車内には新鮮な空気が流れ込み、みなが喝采を上げた。
なにしろ昼のこの時間、エアコンなしの車内はサウナでおしゃべりしているような状況だ。
前方席の客たちは前のドアを勝手に開け、外で涼む人もいたが、
後方席はそれもできず、顔から汗を垂らしてガマンしていたのだ。

非常口を開けたフランス女性はドアにぶら下がり、外の風を感じている。

結局、50分経った14時過ぎにようやくパスポートが配り戻され、
バスは動き出し、車内にはエアコンの風が戻る気配が走った。

4ヶ国目の突入も感慨が薄いまま、ようやく走り出すかと思っていると、
非常口が開いていることに気づいたドライバーのおっちゃんが、
かなりの剣幕でまくし立てながら、バスを降り、右後方に回っていく。

「誰が開けたんだ! 非常口だぞ!」

「わたしよ。あんな状況、耐えられないわ!」

初めは威勢よく怒っていたおっちゃんだったが、フランス女性がまくし立てる強い英語に尻尾を巻き、
おとなしく非常口を閉めることだけに専念し、運転席に戻った、う~ん、ヨーロッパ女性は強いね。

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「ねえねえ、そのイス、座らせてよ」

エアコンの風が戻り出した頃にドイツ組の一人が奇妙なお願いを申し出てきた。

「ここに? いいけど、ラクじゃないよ」

「いいのいいの、変わって変わって。こういうのオモシロイからさ。後ろのシートでゆっくりしなよ」

そういうと風呂イスに腰かけ、友達におどけた写真を撮ってもらいながら、座り心地などを確かめている。
オモシロ半分かもしれないが、あるいはこちらを見かねて、席を変わってくれたのかもしれない、
なんて思いも頭をよぎったが、彼の素振りを見ているとどう考えてもオモシロがっているとしか思えなかった。

確かにいくら旅先とはいえ、国境越えの国際バスでプラスティック製のイスは度を越えている。
アクシデントをおもしろがれるのか、始終文句をいい続けるのか、で旅の質はかなり変わってくるのだ。
この時間のバスでアルバニアに向かえることが風呂イスの苦痛を上回っていることに、自分では早くから気づいてはいた。

「アンタ、最初から座りたかったのね」そういう感じで彼の振る舞いはおもしろくもあったが、
実はこのドイツ組とはこれを機会にすっかり仲良くなり、少しの間、旅を共有することになっていく。

エアコンで快適さを取り戻した車内はおしゃべりの元気も取り戻したが、バスは1時間もかからずに停車した。

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14:50、どうやらミニバスに乗り換える場所に着いたようで、外でバスを待っていたオヤジさんたちに促され、
ここがどこかもわからないまま、それぞれがミニバンに荷物を移し替え、席が埋まると次から次に発車していく。
落ち着いたミニバンの窓越しにカンバンを確かめるとどうやら『Skadarsko(シュコダル)』の街のようだった。

ミニバンで同席したカップルと話しをすると、オージーの彼らはなんと1年間の旅をしているらしい。

「1年? キミらからすると1ヶ月なんか短くて笑っちゃうね」

「でも日本人は長い休暇を取る習慣がないよね? それなのに1ヶ月は充分長いでしょう」

「いや、そんなことよりもカップルで1年はうらやましいです、ホントに」

アジアからはじめた彼らの旅はまだ半分、これから東を回り、そのあと西ヨーロッパが待ち受けているらしい。
こちらは短い一ヶ月の旅だが、宿で、乗り物で様々な国籍、人種、目的の人たちを会話を交わし、擦れ違っていく。
カラダの中の細胞が少しずつ変貌していくような気分になってきていたのは大げさだろうか。

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エアコンが効き、背もたれもある快適な車内で他愛のない話しをしていると、
16:50、ミニバンはアルバニアの首都・ティラナに到着したらしい。

というのもバス・ターミナルでもない街外れのロータリーに放り出された形で右も左も西も東もわからない状況だった。
なにせこちらは市内の地図も現地の通貨もなにも持ち合わせていないのだ。

8時間のバス旅が終わり、激しくクルマが行き交う通りで少しばかり途方にくれた。


コトールからウルツィニ、シュコダルを経て、ティラナへ
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千の窓を持つ町から from Berat [Albania]

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8月18日朝10時、いろいろあってティラナのカフェで15時のバス待ちです。

14日、クロアチアに別れを告げ、3ヶ国目となるモンテネグロ・コトールの街へ。
ものすごく抉りこんだ湾内にある小さな城塞都市なのですが、
着くまでのバスの車窓の風景が素晴らしかった。
まだまだ知られてない魅力的な景色がたくさんあるんですね。
クロアチア・サイドのアドリア海よりも美しいなんて。

城壁に囲まれた世界遺産のなかに宿泊。

ドミトリーで9ユーロ、共同部屋はしんどいですが、
リビングやテラスで他の旅行客と話し込めるのが魅力。
バス、食事、室内・・・ 一人旅のほとんどは退屈な時間との闘い。

行ってきた人には魅力的な場所や宿を教えてもらい、
こちらからは経験した土地の情報や注意点を提供、
宿のスタッフも交えて、アレやコレやと話しが弾みます。

そしてここからバスの悲運がつき纏いまくりやがります。

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15日朝、国境を越え、4ヶ国目のアルバニア・ティラナを目指したのですが、
首都だというのに直通のバスがないようで。
まずはウルツィニという街を目指し、朝9時のオンボロ・バスに乗り込む。
どこかの国からやってきた中古なのでしょう、走らないとエアコンが効かないというシロモノ。

後部座席で一緒になったブラジルの女のコ(英国留学中)、若いイタリア男x2と苦笑い。
偶然にも目的地がティラナで一緒。
しかもこの後、この4人が揃って苦笑いもできない状況に陥るとは。

ウルツィニに着くや否や、窓口でチケットを買うと「次のバス、10分後よ」といわれ、
4人で慌ててチケットを買い求め、乗り場に行くと待っていたのは別のオンボロ・バス。
しかもドライバーは「席がない」とつれない素振り、こちらも負けじと「チケットあるよ」とケンカ腰、
すると乗り場のオジサンがバスに乗り込み、通路にプラスティック製のイスを置き、
「4人はここに座れる」といい、一件落着顔。

旅行客ばかりの車内は大爆笑、「ありえね~」って感じの笑い声が響くけど、オジサンは真顔。
背もたれもない風呂イスに腹を据えて座り、バス発車。

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国境を越え、4ヶ国目アルバニアへ。

バカンス・シーズンの国境渋滞、ひたすら蒸し暑い車内で小一時間、待機。
やり切れずオシャベリで盛り上がる、なにせ走らないとエアコンが効かないのだから。
こちらもそばにいたドイツの3人組と大いに仲良くなり、ジョーク言い合い、イスの苦痛も和らいだかな。

途中でミニバスに乗り換え、出発から8時間かかり、ようやくティラナに到着。

宿のアテのないドイツ3人組が「一緒に行っていいか?」というので同行。
途中、カフェで一息入れながら、ネット予約(右のバナーから『Hostel Albania』)したホステルへ。
1300円程度のドミなのに朝食プレートまでついて、わお、アタリの宿、ドイツ組も喜んでた。
アルバニアの物価にも驚かされこともあって、ムダに延泊、じつはこれがちょっと後悔に。

IMG_0614.jpg
17日、ティラナを発ち、ベラートを経て、ジロカストラへの南下計画。

ところがベラートに到着した14時の時点で他の街に行くバスはない、といわれる。
バス会社、旅行会社、ドライバー、片っ端から聞いてみてもナシのつぶて。

15:30まで昼休みを取っていたツーリスト・インフォが開くのを待って最後の望みを賭けると、
「南に行くのは8時、14時だけです」とのこと。
着いた時点でこの町から出られないことが判明、だメヨ~だめ、ダメ。
いいじゃア、ナイのお~、と行き来するミニバスなどにもあたってみたが、近場の町しか行かないらしい。

この後、3時間ほど南のジロカストラから東へ向かい、湖のほとりのオフリッドを目指す予定だったが、
マケドニア方面に向かう路線も確立しているわけではないそうで、すべてのプランがだめヨ~ダメ、ダメ。
ネットで調べても国境近くの町まで行ってあとはタクシー・・・ という感じで明るい情報が掘り出せない。

きっと行ってみればどうにかなるんだろうけど、行けばわかるさ~ ダァ~っというわけにはいかず、
まだまだ道半ば、この国で日数を費やしている場合でもないので、ティラナに戻ることを決断。
「ティラナなら朝4:30から30分ごとにミニバスが出てます」
ひと思いに一番早いのに乗り、ティラナから真東に国境目指すのが正着だろう。

なにしろティラナでもオフリッド行きのバスがどこから乗れるのか、よくわからないし。



歩道がはがれていたり、道路が整備されてなかったり、アルバニアはインフラ整備ができていない。

バスの路線も確立されておらず、大きなターミナルもなければ、乗り場すらアヤシイのだ。
それを補うように同じ路線を『ミニバス』と呼ばれるバンが走っているようだが、
たいがいは街の外側にそれぞれの会社がターミナル替わりの場所を構えているだけなのだ。

それでもこんな風に街は整備されてないが、アルバニアの人は本当に優しい。
道を尋ねれば、英語がわからなくてもイヤな顔せず、教えてくれるし、
地図を広げていると、どこに行くのかと気軽に声をかけてくる。
荷物を背負い、ひげを伸ばした異形であっても朗らかに接してくれるのだ。
街がキレイになりすべてがシステマティックになると人々は失うのだろうね、ナニカを。

IMG_0783.jpg
ということで、今朝4:30のミニバスできっちり2時間後、ティラナに舞い戻ってきた。
着後、ミニバスやバスを見つけては乗り場を尋ね、迷いながらバス会社へ。

「9時のバス、売り切れよ」

8:30に開くのを待って訪ねたオフィスでつれないお言葉。
まだバスの悲劇が続くのかよぅ、と絶望しかけたら、
「15時のミニバンならオフリッド直通よ、そっちは15ユーロ」とこの上ない情報が。

オフリッドへのバスは13ユーロ、ただし国境を越えた先のストゥルーガという街までで、
そこからはタクシーかミニバスを別に拾わなきゃいけない。
となると15時で直通のミニバスは悪くないんじゃないか、いや、むしろこっちのほうがラク。

ちょっとだけ『バス運』が残っているようで、9時から15時までティラナのひととき。

写真1; ドゥブロブニク、ケーブルで上がった城跡からアドリア海の眺め。
写真2; コトール、城塞都市への入口。日帰り観光客が去った静かな城内はまた格別。
写真3; ティラナでの夕食。チョフテ5x30lek、ヨーグルトソース150lek、パン100lek。
      100円=99lekなのでものすごくわかりやすく、アルバニアから物価も急激に下がった。
写真4; ベラート旧市街。予定外の一泊だが、思いがけない夜の街を撮影できた。それはまた後日。




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